第3回 モザイク合成(NO DATAの設定)

モザイク合成

Copernicus Data Space Ecosystem(CDSE)から、日本全国を対象とする120個のMGRSグリッドに対応したSentinel-2衛星画像を取得した。

ただし、一部のMGRSグリッドでは、1枚の衛星画像でグリッド全体が包含されておらず、画像の左上や右下などが欠けていた。これは、Sentinel-2の観測範囲とMGRSグリッドの境界が必ずしも一致しないために生じるものである。

そのため、該当する9個のMGRSグリッドについては、同一グリッドを対象とする2枚の衛星画像を取得し、互いに不足する部分を補うことにした。

この2枚の画像を結合して1枚の画像にする処理が、モザイク合成である。

9組で18個のjp2ファイルについてモザイク処理を実施して、9個のGeoTiFFファイルを生成した。

NoData設定

モザイク処理を行う際に注意すべきなのが、NoData(無効データ)の扱いである。

CDSEから取得したSentinel-2のTCI画像は、JP2形式で保存されており、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3バンドから構成される。

RGB画像では、各バンドの値が0~255の範囲で表現され、RGB=(0,0,0)は通常、完全な黒色を意味する。

しかし、Sentinel-2のTCI画像では、画像データが存在しない領域も、RGB=(0,0,0)として記録される。

実際に、今回取得したJP2画像の一部では、MGRSグリッドの左上や右下など、衛星画像が欠けている領域にRGB=(0,0,0)が設定されていた。

Sentinel-2のTCI画像では、製品仕様上、0がNoDataを示す値として定義されている。しかし、取得したJP2ファイルをQGISで確認したところ、NoDataの設定は「n/a」(設定なし)と表示された。

このため、QGISでは、画像が欠けている部分のRGB=(0,0,0)も、通常の黒色画素として扱われる状態になっていた。

この状態のまま2枚の画像をモザイク合成すると、一方の画像の欠損部分が黒い画素として扱われ、もう一方の画像に存在する有効な画素を覆ってしまう可能性がある。

そこで、モザイク処理を実行する際には、RGBの値が0である領域をNoDataとして適切に扱い、欠損部分が有効な画像データを上書きしないようにする必要がある。

以下の9個のMGRSグリッド部分は、いずれも2個のJp2ファイルをモザイク合成してGeoTIFFを生成した。
54TXN
54STE, 54STF
53SKT, 53SNU, 53SNV, 53SQU, 53SQV
52SEB