第5回 画像の切り抜き(アルファバンドの設定)
1.目的
本工程では、ゾーン51から55のバーチャルラスタ(5個)から市区町村境界を示すベクタファイルを用いて画像を切り抜くことで、小笠原村を除く全市区町村のGeoTIFFファイル(1740個)を作成します。
2. 前提
以下が揃っていることを前提としています。
111個のJP2ファイル
9個のGeoTIFFファイル
5個のVRTファイル
1個の市区町村境界を示すベクタファイル
3. アルファバンドとは何か?
画像ファイルは長方形ですが、行政区域の境界は複雑な形状をしているので、切り出した画像には行政区域の外側に不要な領域が残ります。こうした領域を透明にするために利用するのが、アルファバンド(Alpha Band)です。
一般的なカラー画像は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの成分によって色を表現します。これをRGB画像と呼びます。
アルファバンドは、このRGBに追加される4番目の成分であり、各画素の不透明度を表します。
RGBにアルファバンドを加えた画像はRGBA画像と呼ばれます。
8ビットのアルファバンドでは、各画素の値は0から255までの256段階で表現されます。
| アルファ値 | 意味 |
|---|---|
| 0 | 完全に透明 |
| 128 | 約50%の不透明度 |
| 255 | 完全に不透明 |
例えば、ある画素が赤色(RGB = 255, 0, 0)であっても、アルファ値が0であれば、その画素は表示されません。
反対に、アルファ値が255であれば、赤色の画素がそのまま表示されます。
つまり、RGBが画素の色を指定するのに対し、アルファバンドはその画素をどの程度見せるかを指定するものです。
4. 衛星画像でアルファバンドが必要になる理由
衛星画像の加工では、行政区域のような長方形ではない領域を取り扱います。
衛星画像を必要な範囲で切り出しても、その周囲には画像データの存在しない部分や、表示する必要のない部分が生じます。
これらを黒色や白色のまま残すと、画像を地図上に重ね合わせた際に、下にある地図が隠れてしまいます。
そこで、表示する部分のアルファ値を255、表示しない部分のアルファ値を0とすることで、必要な画像だけを地図上に表示できます。
この処理は、衛星画像を背景地図に重ね合わせる場合に特に重要になります。
このとき、衛星画像の周囲に不透明な余白が存在すると、背景となる地図が隠れてしまいます。
アルファバンドによって不要な領域を透明化しておけば、衛星画像が存在する部分だけを表示し、それ以外の部分には背景地図を表示できます。
5.作成したGeoTIFFの見え方
衛星画像ビューアでは、必要領域についてはRGBを本来の数値のままとし、アルファバンドを完全不透明(255)と設定し、不要領域についてはRGBを完全白(255、255、255)と設定し、アルファバンドを完全透明(0)と設定しています。
こうすることで、以下のような表示を実現しています。
QGIS:アルファバンドを使用するアプリケーションなので、アルファバンドが有効に働き、不要領域は背面通り白くなる。
フォト:アルファバンドを使用するアプリケーションなので、アルファバンドが有効に働き、不要領域は背面通り黒くなる。
Windowsエクスプローラ:アルファバンドを使用しないので、不要領域は白く表示される。

